相談力向上のコツ

悩み相談の答えは相手に決めさせるべき!その理由は何故か、わかりやすく解説!

自分の悩みを相談する時には、答えを求めているのではなく、ただ話を聞いてほしいという人もいます。相談する側の求めているものを察して、答えを与えるのではなく、相手に決めてもらうことが大切です。

本記事では、悩み相談の答えを相手に決めさせる理由について深堀していきます。

結論:悩んだ結果何をするのか自分で決めなければ、後の行動が続かない

まず、基本的に人は自分が腹落ちして決めたことでなければ、心の底から納得して行動することが出来ません。

そのため、相談を受けた人は、自分の答えの提案をすぐに行うことは避けるべきです。

なぜ悩み相談の答えを聞いた時、自分の答えを提案してはいけないのでしょう?その理由は、同じ悩みでも解決方法として導く結論や行動は、人によって違うからです。それは善し悪しではなく、最適な答えが人によって違うことを意味します。

つまり、あなたが最適だと思った答えは、人にとっての最適解とは言えないということです。

自分が相談した結果、相手から返ってきた答えによっては

そういうことじゃない気がする。

でも仕方ない、相談した手前やってみるか・・・

なんて思ってしまうことも。

そんな気持ちで取り組んだ解決策が、うまくいく可能性は高くないですよね。

その結果によっては

やっぱり上手くいかなかった。次は相談するのやめておこう・・・

そんな気持ちにならないよう、一緒に答えを探すこと。相談した人が気持ちよく前を向いて取り組める内容を一緒に考えていくことが、とても大切です。

では具体的に、その方法を深堀していきましょう。

相談の答えを一緒に探すことが大切

先ほどお伝えした通り、相談した結果、結論は相手に決めてもらうことが大切です。

では、相談を受けた側はどう対応することが良いのでしょう?

一緒に答えを探す、と言われても、その方法がわかりませんよね。

ではまず、絶対にやってはいけない間違った例から説明します。

相談を受けた時、絶対にやってはいけない対応!

皆さんが誰かの相談を受けた時に、絶対にやってはいけないこと。それは、一緒に考える、悩むことをしないで、考える責任を相手に最初から渡してしまうことです。

わかりやすく解説するために、まず具体例を見てみましょう。

後輩くん

最近○○に悩んでて。どうしたらいいかわからないんだ。

選択肢はあるんだけど。

とんちゃん

どっちの選択肢にするかだね。でも、自分で決めた答えが一番!自分で決めなよ!

同僚くん

(ええ・・・それが出来たら相談していないよ)

いかがでしょう。この会話の何がいけないのか、わかりますか?

自分で決めた答えが一番、という言葉。これは誰の価値観でしょう?

この例で考えれば、相談を受けた人の価値観ですよね。それを最初から伝えてしまうことが最初の失敗ポイントです。

もう一つ。相手がどうしたら良いかわからないと言っている。その言葉を受け止めているでしょうか?受け止められていませんよね。それどころか、相手の選択肢についてどう悩んでいるのか、聞くことをしないで結論を出そうとしています。

これでは話を聞いてもらえた、と相手が思うことはないでしょう。

結果として、相手はただ最初から「自分で決めなよ」と言い放たれたように感じます。相談したにもかかわらず、です。

大切なことは一緒に考え悩むこと。そして、相手が答えを出せるまでそれを続けることです。

相談の答えを相手に決めてもらうための、効果的な質問とは?~ソリューションフォーカストアプローチ~

相手が答えを決められるまで一緒に悩むことが大切とお伝えしました。でも、具体的にそれはどうしたら出来るのか。そこが悩ましいですよね。

ここでは具体的にどんな質問をしたら効果的か、わかりやすくお伝えしていきます。尚、筆者が好んで良く利用する技法であるソリューションフォーカストアプローチと呼ばれる技術を参考に、誰でも使いやすい内容に置き換えてお伝えしていきます。

①話した結果、どうなりたい?

まず、相手から相談を受けた一番最初に、この質問をしてみましょう。この目的は、相手は何を求めて相談しているのかを明確にすることです。

違和感を感じる人もいるかもしれません。しかし、相手が何を求めているのかは聞かなければわかりません。相談したからにはアドバイスを求めている、とは限りません。ただ話を聞いてほしいのか、何かを決めたいのか、そして話の中の何を課題だと感じているのか。それを聞いてしまいましょう。

とんちゃん

自分と話して、どうなったら相談して良かったと思える?

上記のように、少し聞きやすい言い方にアレンジしても良いです。

②そのために既にやったこと、考えたことは?

相手から返事を聞いたのちに、次にする質問がこれです。

解決のために相手はすでに悩んでいる。それはつまり、こちらが考えるよりも悩んでいる本人はすでに「悩む、考える」といった行動を起こしています。何かを考えているのであれば、どんなことを考えたのか、行動したのかを教えてもらいましょう。

とんちゃん

その悩みについて、もう考えたり行動したことがあれば教えて?

この質問で、相手はより自分の考えを深く話しやすくなるでしょう。

③他には?

②の質問で答えを聞いたら、さらに深掘りします。

他にも考えたことや行動したことがあるのか、さらに聞いていく。この質問は、相手が「もう他にはない」と言うまで繰り返していきます。

相手の考えや行動をまずは全て話してもらうことで、より悩んでいることを明確にしていきましょう。そうすることで、相談をした結果、気持ちがすれ違ってしまうことが減っていく。同時に、次の質問や返答で相手をもっと肯定する、認めることが出来るようになります。

④すでに相談をするという行動を起こしていることを認める

他には、の質問で相手の思いや行動を一通り聞いたところで、その全てを肯定しましょう。

具体的に例を出します。

とんちゃん

①そんなに一人ですでに考えを深めていたんだね

②もうそんな行動までしているんだね

こういった返答が第一声としては使いやすいですね。そして可能であれば、どうしてそこまで考えられたのか、または行動が出来たのかを加えて聞いてみましょう。

この質問で、相手の長所、強みと言った部分を知ることが出来ます。私も好きな質問方法で、よく用いていますね。

とんちゃん

そんなに考えられる、行動できることって誰にでも出来ることじゃないと感じるけど、どうして出来るの?

相手により言い回しを変えますが、上記のような表現ですね。

⑤目指している結果に対して、話してみて次に考えが浮かんだかを確認する

ここまでの質問やたい対話が出来ていた場合、相手との話はそれなりに深まってきていることが多いです。その場合、ここまで話した結果、今話し始めてから何か変わったことがあるのか、考えの変化や次の行動を考え始めているかを一度聞いてみましょう。

もし相手から、無いと返答された場合には、一緒に考えたいんだけど、どうしていきたいか?と問いかけてみることも良い方法です。

この質問で、相手の気持ちが今どこで立ち止まっているのか、または進んでいるのかを確認しましょう。

⑥考えが浮かんでいたら、それを肯定する。なければ、これまでの行動や考えはなぜ浮かんだのか質問して教えてもらう。

もし、相手の中に考えが浮かんでいれば、それを応援してみましょう。

とんちゃん

そうか、悩んでいながら今も考え続けて、次の選択肢を見つけたんだね。ならそれが今出せる最善の答えだと思うよ。

こういった言い回しで良いです。相手が悩んだ事実そのもの、そして思考が前向きに次の段階に進んだことを肯定する作業になります。

そして相手がもし何も浮かばない、わからないと悩んでしまっていた場合。その時には、これまで行動できた理由や、何かがうまくいっていた時のことを質問して教えてもらいましょう。

その質問から、なぜ今は浮かばなくてもその時には考えられたのか、行動できたのか、例外を探すことが出来ます。

上手くいかないと言っている相手が上手くいったとき、その例外を探すことに相談のヒントが隠れていることも多いです。

⑦次の行動が一つでも決まれば、それを決めた、探せたことを肯定する

ここまでの質問、相談の流れの結果、相手が何か一つでも決定出来ていた場合。それを決められたことを全力で肯定しましょう。

出来たかどうか、実際にやったかどうか、結果がどうか。これらは現段階で関係ありません。必要なことは、考えた結果として何かが決定できたことそのものを肯定するのです。

返答の例としては

とんちゃん

話し始めた時にはわからない、決められないと思っていた状況から、もう次のことに進めたんだね。それは凄いことだと思うよ。

等です。相手との関係や状況に合わせて変化して良いと思います。相手が相談したこと自体を良かったと思えるような、そんな返答を心がけてみましょう。

そしてもし、相手がそれでも何も決められずにいたら?それは相手の責任ではありません。そして悪いことでもありません。互いにまだまだ相談、考える余地が残っているということです。

とんちゃん

まだまだ一緒に考えられることが残っているってことだね。タイミングを変えてでも、続けて一緒に考えさせて?

こういった返答が、次に繋がりやすいですね。

相談相手が自分で決める、自己決定は行動力に繋がる

今回お伝えした内容の根拠は、バイステック著書のケースワークの原則、そしてソリューションフォーカストアプローチを用いた質問方法を筆者の経験から統合、解説した内容になります。

筆者の解釈を交えているため、若干本来の内容とは異なりますが、日常生活、家庭、職場で使いやすい内容にしてあります。是非明日から一つでも良いので、活用してみて下さい。

ここまでお伝えしたように、相手が自分自身で決めることを手伝う。相談の神髄はここにあります。自分で決めた内容は、誰かに言われたことよりも実践しやすい。そんな経験は皆さんにもあるのではないでしょうか。

今後も皆さんが豊かな人生、人間関係を作れるようお手伝いしていきます。

一緒にコミュニケーション力を向上していきましょう。

皆さんの人生の1ページに、何かを残せたら幸いです。

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