人間関係を良くしたい。職場や家庭の雰囲気を良くしたい。誰しも一度はそんな願いを持ったことがあるのではないでしょうか。
そんな時に注目すべきは、どんな会話をするのか、受け答え方も重要です。ですが、それ以上に大切なことがあります。それは、どんな態度で人と接しているかです。
しかし、態度とは無意識にとってしまうことも多々あります。どうすれば良くなるのか、話しやすい人と言われるのか。
本記事では、話しやすい、安心感があると言ってもらえる人になるにはどうしたら良いのか深掘りしていきます。
すぐに取り組めるよう、わかりやすく解説します。
受容的態度と積極的傾聴が大切
あなたが誰かに相談をしたとします。想像してみましょう。その相手が、椅子の背もたれによりかかり、腕を組んで、足を組んで、ふんぞり返る姿勢で話していたとしたら?嫌そうな嫌そうな表情で、あなたと距離を離すように体の向きを変えたら?
決して、もっと話したいとは思えなくなりますね。そして、リラックスして話すことも難しくなるのではないでしょうか。
このように、態度や姿勢は人との関係に重要な要素となります。
重要なことは、相手にリラックスして話してもらえる“空気”が作れるかどうかです。
その際に重要な要素は2つ。受容的態度と、積極的態度です。
受容的態度とは?
受容的態度とは何か?これは、あなたのことをしっかり受け止めますよ、と伝わるような雰囲気のことです。
人は話をしている相手が、まるで自分を否定するような態度をとった時には不安や不快感を感じます。
それとは逆に、話していることが受け止められてる、自分を否定せず、尊重してくれると感じると、話しやすさや安心感を感じます。これを言葉で行う技術が受容。そして言葉ではなく、身体の動きや姿勢で表現する方法が受容的態度です。この雰囲気を作るには、ちょっとした意識の積み重ねが重要になります。この方法は後に解説します。
積極的傾聴とは?
続いて積極的傾聴とは何か。これは、あなたの話を真剣に聞いています、耳を傾けています、と伝えていく、態度によるメッセージです。
傾けて聴く、と書いて傾聴。この概念は言葉を用いながら実践することも大切ですが、今回は身振り手振りといった態度に限定して解説していきます。
では、自分の話をしっかり聴いてくれる人とはどんな人なのか。どうしたらしっかり聴いてくれていると相手に感じてもらえるのか。
深掘りしていきましょう。
態度が良いと感じてもらうための基本的姿勢
では具体的に、どうしたら態度が良いと感じてもらえるのか。すぐに実践できるよう、日常に取り入れやすい内容にまとめて解説していきます。
すべてを同時に始めるのではなく、ひとつずつ試してみましょう。
アイコンタクトで伝える
まずは、相手とのアイコンタクトを意識してみましょう。
アイコンタクトを意識する最初の一歩は、相手と目線を合わせることから始まります。人の目を見て話すことが苦手な人もいるでしょう。何も、ずっと相手を見つめ続ける必要はありません。そっぽを向かない、違うものを集中して見続けないといったことから始めると良いです。
特に職場において、話をほどほどに聞くだけで、部下と目を合わせずに言いたいことをアドバイスのように言い続けている上司。そんな光景は珍しくありません。これでは関係は良くなりません。
次に相手と目線が合わせられうようになった次のステップについて。
相手をずっと凝視し続けると、それはそれで圧迫しているように相手が感じてしまう可能性もあります。あくまで自然に目線を送ることが重要です。
その方法は、相手が重要なことを話している瞬間や、思い悩んだ心境を話している時には集中して目線を合わせることです。
これにより、今の話をもっと続けてよい、真剣に聞いているよ、と相手にメッセージを送ることが出来ます。
表情で伝える
アイコンタクトと同様に、相手に言葉ではなくメッセージを送る方法として、表情の活用があります。
相手と話している時に、自分がどんな表情をしているのか意識したことはありますか?案外、無意識に自分の感情がそのまま表れてしまっている人も多いのではないでしょうか。
相手の話に、もしあなたが怒りや不快感を覚えたとしたら。そしてそれが表情に出たとしたら。きっと相手は話したくなくなります。
コミュニケーション場面において、表情がもつ役割は多様です。安心感を与えるだけではなく、共感を示すことにも活用できます。
まずはせめて、不快感を示すような表情をしないことから始めてみましょう。
トレーニング方法は、鏡を見ながら喜怒哀楽の表情を繰り返してみることです。次第に自分が今どんな表情をしているのか、感覚的にかわるようになります。
うなずくことで伝える
続いて深めていきます。今度は“うなずく”ことを意識しましょう。
うなずくことは、相手に話を聞いていますよと伝えることになります。同時に、もっと話を続けて良いというメッセージにもなります。
人との会話で、うなずかずに話している人は珍しくありません。
「うん」や「はい」といった、相づちとは別の表現技法なので、区別しましょう。
また、うなずきは闇雲にしすぎると、かえって真剣に話を聞いているか相手を不安にさせます。
うなずくことが自然に出来るようになったら、次はアイコンタクトや表情と組み合わせてみましょう。今の話をもっと続けて良いと伝える場合、相手と目線を合わせ、相手の言葉のリズムに合わせた速度でうなずく。その時の表情は会話の内容により、相手に共感を示すようにする。
うなずく、といった単純な動作も、コミュニケーションにおいて意識的に使うとなると奥深いですね
話す相手に向けた前傾姿勢
続いて、相手と話す際にどんな姿勢をとるべきか解説します。
話すときには、相手に対して若干の前傾姿勢になることで、相手に関心を示していることを伝えられます。
立ち話の時には、相手に顔を向けつつ、何かに寄りかかることがないよう注意しましょう。
座って話す際には、背もたれには背中をつけないよう意識してください。
手を見える位置に置く
話すときには、手の位置も重要になります。よく腕を組むこと、腰に手を当てる、後ろで組むといった癖を持つ人がいます。これは意識してやめましょう。相手に高圧的な雰囲気を伝えてしまったり、拒否的と受け取られることもあります。
座って話す際には、テーブルの上に出しておきましょう。
こちらの手が見えることで、相手の不安を減らすことが出来ます。人は無意識に、見えていない部分で相手が何をしているのかわからないと不安になってしまうからです。
意識すべき相手との距離感
ここまでは、相手にどう見えるのかを意識した技法について解説しました。
続いて、相手とどんな距離で話をするべきか説明します。
人は自分のパーソナルスペースを持っている
人は必ず、パーソナルスペースと呼ばれる自分の領域を持っています。このスペースに他者が入る、近づくと、動物のなわばりのように不快感を覚えます。
この距離は人により違っています。相手と話す際には、パーソナルスペースに侵入しすぎないよう意識して対応数ることが重要です。
パーソナルスペースを守って話す方法とは?
では具体的に、相手に合わせた距離感をどのように守るのか。人によって違いがあるため、事前の判別は非常に難しくなります。
簡単に実践できるコツとしては、自分が先に話す場所に座る(あるいは立つ)ことです。そうすることで、相手は自然に自身のパーソナルスペースに合った場所に座るでしょう。椅子をずらす、座る位置や立ち位置を調整するといった行動を起こします。
これを観察することで、相手のパーソナルスペースが概ねつかめます。次回以降話す時の参考に出来るでしょう。
話すときの角度
話す時の角度にも触れておきます。
ここで重要になることは、相手の目線を逃がすことが出来るかです。
アイコンタクトの解説で、凝視すると圧迫感を与えると説明しました。真正面から常に話し続けることは、親密な関係以外では多少のストレスになります。圧迫感を与えてしまう可能性があるからです。
ではどうしたら良いのか。その答えは“ハの字”です。
カフェで二人掛けのテーブル、椅子が置いてある光景を思い浮かべてください。特にテラス席に多い光景ですが、対面ではなくハの字に椅子が並んでいることがありませんか?
これは視線の逃げ道を作ることで、リラックスして話せる心理学効果を意識した配置になっています。テラス席では特に、屋外に向けて視線を逸らすことが出来ます。リラックスした空間を提供しようとする空間作りの手本ですね。
まとめ
人間関係において、自分がどんな態度を相手に取っているのか。意識すると奥深い内容です。どんな言葉や会話をするかも大切ですが、こういった非言語のコミュニケーションも大切です。専門用語では、ノンバーバルコミュニケーションと呼ばれます。
表情や身振り手振り、空間の設定を意識することで、相手に安心してもらえる話し相手に近づけるでしょう。
自分の目線や表情、うなずきや体の向き。こういった小さな要素が積み重なって、相手から見られた時の態度が決まります。意識してひとつづつ改善することにより、聞き上手になっていくはずです。
今回は日常生活、職場、家庭で意識しやすいように、取り入れやすい内容をまとめました。
自分がどのように見られるのかは、人間関係において非常に重要です。
是非、一緒に意識しながら豊かな人間関係、人生を目指しましょう。
あなたの人生の1ページに何かを残せたら幸いです。